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行政書士・富樫眞一事務所
スローガン:決して人を傷つけない正義の追求(ハーバード大学マイケル・サンデル教授を支持します!)
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【事例】外国籍の父が死亡した場合の相続手続は、どのようにすればよいのか。
【国際裁判管轄】
外国籍の方の相続手続に関し、日本に裁判権があることが前提となりますが、民事訴訟法において、日本の裁判所に管轄権が認められる場合は次のとおりです。
(1)不動産に関する訴えについて、当該不動産が日本国内にあるとき
(2)相続若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他の死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴えについて、相続開始の時に被相続人の住所又は居所等が日本国内にあるとき
(3)(2)に該当しない相続債権その他相続財産の負担に関する訴えについて、被相続人の住所又は居所等が日本国内にあるとき
【被相続人が日本国籍以外の場合】
法の適応に関する通則法第36条で、「相続は、被相続人の本国法による。」と規定されています。また、同法第41条で「当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。」と定められています。以上から被相続人の本国法を調べる必要があります。注意が必要なのは、相続人ではなく被相続人の本国法によるという点です。
韓国では、「相続は、死亡当時被相続人の本国法による。」と定められていますので、相続について、原則勧告民法が適用されます。例外として、常居所の国や不動産所在地の法を適用すること遺言で明記すれば、その法になります。例えば、日本に常居している韓国籍の人が遺言で「私の相続は、日本法によります」と明記すれば、相続は日本法が適用され、遺言がなければ原則どおり韓国民法によります。
中国では、「遺産の法定相続については、動産は被相続人死亡時の居住地の法律を適用し、不動産は不動産所在地の法律を適用する。」と規定されています。日本に住所があり不動産を所有している中国籍の人が死亡した場合、前述の法の適用に関する通則法第41条「その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。」の定めに従い、動産の法定相続については被相続人の居住地である日本の民法を、不動産の法定相続については不動産所在地である日本の民法を、不動産の法定相続については不動産所在地である日本の民法、つまり、どちらも日本の民法を適用することになります。
被相続人の本国法の規定はそれぞれ違います。被相続人の本国法を正確に理解することが大切です。
【相続人が海外在住の場合の相続手続(日本法が適用される場合)】
(1)相続人が日本人の場合
相続手続に関し、原則相続人の印鑑証明書が必要となりますが、日本に住所登録をしておらず海外に在留している日本人に対しては発行されません。印鑑証明書の代わりとして在外日本領事が発行する「署名証明書」があります。
この署名証明書(「サイン証明書」という場合があります)とは、日本での手続のために発行されるもので、申請者の署名が確かに領事の面前でなされたことを証明するためのもので、次の2種類があります。
①申請者が領事の面前で署名した私文書と領事が発行した証明書を合綴し、割印をするもの
②申請者の署名を単独で証明するもの
①又は②どちらでも、手続は基本的に可能ですが、②の場合、私文書の署名の筆跡と署名証明書の筆跡の同一性が問題となる場合があります。
なお、在外日本領事が発行する署名証明書以外に現地公証人が発行する署名証明書や、一時帰国の際に、日本の公証人によって遺留分割協議を公証する証書でも差しつかえありません。
住民票に関しても日本で住民登録していない場合は発行されませんので、それの代わりとして在留証明書を取得します。戸籍に関しては、日本国内の本籍地で証明書(謄本等)を取得します。
(2)相続人が外国人の場合
相続を証する書面は各国によって異なります。ほとんどの国で戸籍制度はありませんので、戸籍に代わる証明書として「死亡証明書」、「出生証明書」、「婚姻証明書」等を取得します。
また、遺産分割の内容を現地の公証人の面前で宣誓供述し、あわせて署名した宣誓供述書(署名証明書付)等も必要になります。
なお、不動産登記には、日本語訳が必要となります。
【相続税との関係】
相続人又は受遺者が相続開始時点において国内に住所を有する場合には居住無制限納税義務者又は居住制限納税義務者として、相続人等が相続開始時点において国内に住所を有しないが日本国籍を有する場合には非居住無制限納税義務者又は非居住制限納税義務者として、相続税の納税義務所となります。
無制限納税義務者となる場合には被相続人が有していた国外財産を含む全ての財産について、制限納税義務者となる場合には被相続人が有していた国内財産について相続税がかかります。
上で述べたように、外国籍の父が死亡した場合の相続手続について説明しました。相続業務は、法的知識が不可欠です。すなわち、相続の専門家のサポートが不可欠です。
相続の専門家である横浜在住の横浜在住の行政書士・富樫眞一は、お客様の相続手続遂行に貢献できると確信しております。ご用命をお待ちしています。
次のお役立ち情報は、「認知症」です。是非ご覧ください。