行政書士・富樫眞一事務所|横浜市で廃棄物処理業許可の取得なら旭区にある
行政書士・富樫眞一事務所
スローガン:決して人を傷つけない正義の追求(ハーバード大学マイケル・サンデル教授を支持します!)
〒241-0836 横浜市旭区万騎が原79番地2(相鉄線二俣川駅から徒歩10分)
産業廃棄物の保管基準とはどのようなもの?
保管方法ごとの注意点についても解説
産業廃棄物は排出から運搬までのあいだ、適正に保管する必要があります。この記事では廃棄物法や環境省令に基づく保管基準と、産業廃棄物の具体的な保管方法について説明します。
産業廃棄物の保管について、廃棄物処理法第12条第2項ではこのように規定しています。
事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。 |
廃棄物の排出業者は付近の生活環境を保全するため、環境省令に従って産業廃棄物を保管しなければなりません。
ちなみに対象となる産業廃棄物、特別管理産業廃棄物については『産業廃棄物とはどのようなもの?定義・具体例・処理の流れについて解説』をご覧ください。
産業廃棄物の保管場所には、周囲に囲いを設けなくてはなりません。囲いの形状や性質について具体的な規定はありませんが、囲いに産業廃棄物の荷重がかかる場合は「当該荷重に対して構造耐力上安全であるものに限る」とされています。
保管場所の見やすい場所に、以下の基準を満たす掲示板を設置します。掲示板のサイズはタテ・ヨコ縦60cm×横60cm以上で、以下の事項を表示する必要があります。
無害化処理認定を受けるには、さまざまな要件を満たしたうえで厳しい審査をクリアする必要があります。一方で、認定を受けた事業者には優遇措置の適用や会社のイメージ向上といったメリットがあります。
保管場所からの飛散や流出、地下への浸透、異臭の発散を防ぐため、あらゆる防止措置を取る必要があります。
産業廃棄物から汚水が発生する可能性がある場合、それによって公共の水域や地下水が汚染されないよう防止措置が必要です。たとえば排水溝の設置や不浸透性材料による舗装、油水分離層などの設置などが考えられるでしょう。
産業廃棄物を容器に入れず、屋外で保管する場合は以下の高さ・勾配に収める必要があります。
産業廃棄物の保管場所では、ネズミや蚊、ハエ、その他の害虫が生息したり発生したりしないよう予防が必要です。
廃棄物が「石綿含有産業廃棄物」の場合、他の物と混ざらないように仕切りを設け、飛散防止のために覆いを付ける必要があります。また「水銀使用製品産業廃棄物」の場合も、他の物と混ざらないよう仕切りが必要です。
産業廃棄物の中でも特に危険性の高いものは「特別管理廃棄物」と呼ばれます。これらの廃棄物の保管には、通常の産業廃棄物と同等以上の高い保管基準が求められます。
特別管理産業廃棄物の保管場所には囲いが必要です。特別管理産業廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合は「当該荷重に対して構造耐力上安全であるもの」でなくてはなりません。
保管場所の見やすい場所に、以下の基準を満たす掲示板を設置します。掲示板のサイズはタテ・ヨコ縦60cm×横60cm以上で、以下の事項を表示する必要があります。
保管場所からの飛散や流出、地下への浸透、異臭の発散を防ぐため、あらゆる防止措置を取る必要があります。
特別管理産業廃棄物から汚水が発生する可能性がある場合、それによって公共の水域や地下水が汚染されないよう防止措置が必要です。
特別管理産業廃棄物を容器に入れず、屋外で保管する場合は以下の高さ・勾配に収める必要があります。
特別管理産業廃棄物の保管場所では、ネズミや蚊、ハエ、その他の害虫が生息したり発生したりしないよう予防が必要です。
特別管理産業廃棄物に他の物が混入しないよう、仕切りなどを設ける必要があります。ただし以下の場合については仕切りを設ける必要はありません。
産業廃棄物の品目ごとに、以下のような措置が必要です。
品目 | 措置 | |
イ | 廃油 ポリ塩化ビフェニル汚染物 ポリ塩化ビフェニル処理物 | 容器に入れ密封すること 揮発の防止のために必要な措置をとること 高温にさらされないために必要な措置をとること |
ロ | 廃酸 廃アルカリ | 容器に入れ密封するなど、廃酸や廃アルカリによる腐食を防止するために必要な措置をとること |
ハ | ポリ塩化ビフェニル汚染物のうち環境大臣が定めるもの | 容器に入れ密封するなど、廃酸や廃アルカリによる腐食を防止するために必要な措置をとること |
二 | ポリ塩化ビフェニル汚染物 ポリ塩化ビフェニル処理物 | 腐食の防止のために必要な措置をとること |
ホ | 廃水銀等 | 容器に入れて密封するなど、飛散、流出又は揮発の防止のために必要な措置をとること 高温にさらされないために必要な措置をとること 腐食の防止のために必要な措置をとること |
ヘ | 廃石綿等 | 梱包するなど、飛散の防止のために必要な措置をとること |
ト | 腐敗するおそれのある特別管理産業廃棄物 | 容器に入れ密封するなど、腐敗の防止のために必要な措置をとること |
産業廃棄物を保管する「容器」にはさまざまなものがあります。ここでは代表的な容器と注意点について説明します。
フレコンバック(フレキシブルコンテナバッグ)とは、ポリプロピレンやポリエチレンなどの丈夫な布で作られた袋です。ほとんどの産業廃棄物に使える便利な容器ですが、使用時には以下の点に注意する必要があります。
ドラム缶は汚泥などの水分を多く含む産業廃棄物や、発火の恐れがあるもの、腐食して蓄熱しやすい草木類などの保管に適しています。ドラム缶を使用する場合は以下の点に注意が必要です。
一斗缶もドラム缶と同様、廃油など液状の産業廃棄物の保管に適しています。注意点はドラム缶と同様です。
コンテナにはさまざまな種類があります。たとえば車両に着脱できる無蓋のコンテナは、産業廃棄物をそのまま運搬できるため便利です。また蓋付きの金属製・プラスチック製のコンテナもあります。
ただし無蓋(蓋なし)のコンテナを使用する場合は、飛散・流出や悪臭防止、雨水侵入防止のために防水シートなどで覆わなくてはなりません。
産業廃棄物の保管にはさまざまな基準があります。排出事業者は周辺環境の保全のため法令に従い、排出する産業廃棄物の種類に応じて適切な保管環境を用意するようにしましょう。