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廃棄証明書の目的と役割とは?
マニフェストの違いや保管方法についても解説
廃棄物を処理すると、処理業者から廃棄証明書という書類を発行されることがあります。この記事では廃棄証明書の役割や発行形式、マニフェストとの違いや保管方法について解説していきます。
「廃棄物証明書」とは、廃棄物の処理が完了した際に「適切に処理された」という証明のために処理業者から委託元(排出事業者)に対して発行される書類です。廃棄物証明書は主に、「固定資産の産業廃棄物」や「個人情報などが含まれる機密文書」の廃棄時に発行されます。
廃棄証明書は大きく分けて2つの理由で発行されます。
ひとつは固定資産の償却に関連するものです。経理処理を適切に行うため、固定資産が廃棄物として確かに処分されたことを証明する手段として廃棄証明書が利用されます。
ふたつめはマイナンバー法に関係しています。マイナンバー法ではマイナンバーを含む個人情報は復元不可能な方法で破棄して(処理の)記録を残さなくてはなりません。外部の処理業者に委託する場合は、廃棄証明書が記録の根拠となります。
廃棄証明書に決まった形式はありません。実際、廃棄証明書のフォーマットは処理業者によってまちまちです。ただし全体としては「紙媒体」での発行と、「電子媒体」で発行(電子メールの送付など)するケースに分けられます。どちらで発行するかは処理業者次第ですが、委託元の要望を聞いてくれるパターンもあるようです。
紙媒体の廃棄証明書は郵送で送られてきます。処理の委託からおおむね1〜2週間程度で届くのが一般的です。一方、電子媒体の廃棄証明書はもう少し早いタイミングで電子メールで届くか、専用サイトにアップロードされます。
廃棄証明書 | マニフェスト | |
目的 | 廃棄物が適切に処理されたことを証明する | 廃棄物の処理の流れや内容を管理する |
発行者 交付者 | 処理業者から排出事業者(委託元)に対して発行 |
|
対象 | 一般廃棄物と産業廃棄物 | 産業廃棄物 |
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廃棄証明書が発行されたら、排出事業者は一定期間のあいだそれを保管しなければなりません。
廃棄証明書の保管期間は「5年」もしくは「7年」とされています。前者は一般的な廃棄証明書の場合、後者は領収書を兼ねた廃棄証明書の場合です。いずれにしてもかなりの長期間ですが、必要なときにすぐに参照できるよう、きちんと整理して保管しておく必要があります。
保管方法に厳密な決まりはありませんが、紙媒体の廃棄証明書であれば時系列や処理の内容に合わせて通し番号を付け、ファイリングしておくのが一般的でしょう。
電子媒体の廃棄証明書の場合も、できればいったん印刷して(紙媒体の形にして)ファイリングするのが無難です。特に処理業者ごとに紙媒体だったり電子媒体だったりする場合は、すべて紙媒体で統一したほうが管理しやすいと考えられます。
保管期間が満了した廃棄証明書はできるだけ速やかに処分すべきです。大量の紙媒体のファイルで保管スペースが埋まってしまうのを避けるため、というのもひとつの理由ですが、それ以上に「不用意な情報漏えいを避ける」というのが大きな理由です。
意図しない情報漏えいは、会社や顧客にどのようなリスクをもたらすかわかりません。場合によっては賠償責任に発展したり、会社の社会的信用を落とすことにもつながります。
さらに漏洩した情報の中に個人情報が含まれていれば、個人情報保護法違反として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人には1億円以下の罰金)」の対象となる点にも要注意です。
廃棄証明書は「廃棄物が適切に処理された」ことを証明するために発行されます。廃棄証明書の形式は紙媒体だったり電子媒体だったりとさまざまですが、発行を受けた場合は「保管期間」と「保管期間終了後の処理」に注意して適切に取り扱うようにしてください。